370年以上、この地で暖簾を守り続けるということ|人吉温泉しらさぎ荘 女将の徒然日記

変わらぬ暖簾の、その向こうで。

八代の友人へ支援物資を届けた帰り道。

「氷川の被害が大きい」

そう耳にしてから、ずっと気になっていた場所がありました。

熊本県氷川町にある、白玉屋新三郎さんです。

社長とは、もう10年以上のお付き合いになります。

約10年前、白玉屋新三郎さんのイベントに参加させていただいた時の一枚。

白玉屋新三郎で開かれたイベントに参加した時。社長と女将さんと(2016年)

何度もお会いする中で、いつも気にかけてくださり、お店づくりについても、たくさんのことを教えていただきました。

約10年前には、白玉屋新三郎さんにて開催されたイベントに、しらさぎ荘も参加させていただいたことがあります。

地震前の白玉屋新三郎の店舗外観。暖簾がかかる落ち着いた佇まい。

白玉屋新三郎の木製看板。店舗前に掲げられた歴史を感じる看板。

約10年前に白玉屋新三郎で開催されたイベント会場の様子。地元の食や工芸品が並ぶ会場。

約10年前に白玉屋新三郎で開催されたイベント会場。地域の食や工芸品が並ぶ展示ブース。

しらさぎ荘の鯉の南蛮漬けを、白玉屋新三郎の最中にのせたコラボレーション料理。

しらさぎ荘の鯉の南蛮漬けを、白玉屋新三郎の最中にのせたコラボ料理。

イベントでは、二階にある素敵な茶室で、肥後古流のお点前でお茶をいただきました。

白玉屋新三郎の茶室で、肥後古流のお点前によるお茶をいただいている様子。

あの茶室に流れていた静かな空気、そして心がすっと整っていくようなひとときは、今でも昨日のことのように心に残っています。

私にとって白玉屋新三郎さんは、憧れのお店でもありました。

店内に展示された「白玉物語」の写真パネル。白玉屋新三郎の歴史と故郷への想いが紹介されている。

あまりにも素敵なお店だったので、旧しらさぎ荘を改装した際には、その雰囲気を参考にさせていただいたお部屋があったほどです。

社長にお電話をしてみましたが、つながりませんでした。

突然お伺いしてご迷惑ではないだろうか……。

そう思いながらも、気づけば車は白玉屋さんへ向かっていました。

向かわずにはいられませんでした。

地震の影響で大きくひび割れた熊本県氷川町の道路。白玉屋新三郎へ向かう途中で目にした被災状況。

令和8年熊本地震被害によりブルーシートで保護された白玉屋新三郎の店舗外観。

地震の影響で建物に隙間が生じた白玉屋新三郎の柱周辺の様子。

 

到着して目にしたのは、言葉を失う光景でした。

建物の基礎はずれ、壁と壁の間には大きな空洞ができていました。

長年大切に守られてきた建物が傷ついた姿を目の前にし、胸が締め付けられる思いでした。

まずは、お見舞いの品をお渡しし、お忙しい中にもかかわらず、少しだけお話を伺うことができました。

地震被害を受けた白玉屋新三郎の店内。復旧作業が進められている様子。

370年以上、この地で暖簾を守り続けてこられた歩み。

370年以上の歴史を受け継ぐ白玉屋新三郎のブランドロゴ。

その長い歴史の中には、きっと私には想像もつかないような困難が、何度もあったのだと思います。

社長が静かに語られるその想いは、とても私などが言葉にできるものではありませんでした。

帰り際、片付けられていたお菓子の箱が目に留まりました。

 

白玉屋新三郎で購入したお饅頭。やさしい甘さと丁寧な味わいが印象的だった。

白玉屋新三郎で購入したお饅頭。やさしい甘さと丁寧な味わいが印象的だった。

「こちらは、まだ販売されていますか?」

そうお伺いすると、お饅頭や和菓子を購入することができました。

帰りの車の中で、早速お饅頭をひとついただきました。

ほっと心がほどけるような、とてもやさしい味。

派手さはないけれど、一つひとつ丁寧につくられていることが伝わってくるようなお菓子でした。

「これは家に帰って、お茶を淹れて、ゆっくり味わいたい。」

そう思わせてくれる、繊細でやさしい味でした。

 

帰宅してから改めてホームページを拝見すると、一時停止されていた商品の出荷は、8月3日より順次再開されているとのことでした。

白玉屋新三郎で販売されていた包装済みの白玉粉。復旧作業の中でも商品を届けようと準備が進められていた。

 

一歩ずつ前へ進もうとされている姿に、胸が熱くなりました。

また、あの素敵な茶室で、ゆっくりとお茶をいただける日が来ますように。

そして、あの暖簾が変わらず風に揺れ、社長の笑顔でたくさんのお客様を迎える日が来ることを、心から願っています。

 

災害は、建物だけでなく、人の心にも大きな傷を残します。

それでも、370年以上この地で暖簾を守り続けてこられた白玉屋新三郎さんなら、きっとまた、この場所にたくさんの笑顔が戻ってくる。

そう信じています。

また、あの素敵な茶室で、ゆっくりとお茶をいただける日が来ますように。

またあの暖簾が変わらず風に揺れ、社長の笑顔でたくさんのお客様を迎える日が来ることを、心から願っています。

白玉屋新三郎の店内で静かに見守るお地蔵さん。長い歴史と人々を見守ってきたような佇まい。

白玉屋新三郎の建具に施された家紋の意匠。370年以上受け継がれてきた暖簾の歴史を感じさせる木の細工。

 

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熊本県人吉に位置する平成の名水百選の池のある1日限定5組。大人の隠れ宿。
人吉温泉しらさぎ荘の効能溢れる源泉掛け流し温泉は、窓を開けると半露天風呂にもなる内湯付離れと家族風呂・貸切風呂もございます。
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▶︎ 白玉屋新三郎さんの歩みや最新情報は、公式ホームページをご覧ください。

 

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